アンダーワールド(2003)
王道のヴァンパイアネタがスタイリッシュになってる。
前から見ておきたいと思ってたんです。このシリーズ最初の作品が2003年制作、って、14年前じゃん!いまさら?という感じですが、2017年1月に最新作出てる、というコトは面白いはず!ちなみに、シリーズをリリースの順で並べると↓
1.『アンダーワールド』(2003年)
2.『アンダーワールド: エボリューション』(2006年)
3.『アンダーワールド ビギンズ』(2009年)
4.『アンダーワールド 覚醒』(2012年)
5.『アンダーワールド ブラッド・ウォーズ』(2017年)
よし!この順番で観ていくのだな!
こうして、意気込む私を、DVDジャケットのヴィジュアル、絶世の美女、ケイト・ベッキンセールが、月を背景に、肩越しにこちらを見つめてくるわけです。
ストーリー
ビルの屋上から楽々と地上に降り立つ一人の美女。彼女の正体は吸血鬼<ヴァンパイア>の女戦士セリーン。ある時、彼女はヴァンパイアの宿敵、狼男族<ライカン>が人間の青年医師マイケルを追いかけていることに気づく。不審に思ったセリーンはマイケルの行動を追跡。そして、彼に直接尋問している最中、ライカンたちに急襲される。セリーンはとっさにマイケルを助けて逃走するが、その直前、マイケルはライカンのリーダー、ルシアンに肩を咬まれてしまう。それは、マイケルがほどなくライカンになることを意味するのだった…。
■原題:UNDERWORLD ■上映時間:121分
■配給会社:ギャガ ■製作年:2003
【キャスト】ケイト・ベッキンセイル、スコット・スピードマン、シェーン・ブローリー、ビル・ナイ、マイケル・シーン 【スタッフ】監督:トニー・ピアース=ロバーツ
女性ながら吸血鬼族の優秀な狼男の処刑人=主人公セリーン
この女吸血鬼主人公セリーンを、女優ケイト・ベッキンセイルが演じています。いきなり地下鉄で銃撃戦が始まります。どうやら、吸血鬼(ヴァンパイア)と狼男(ライカン)の2種族は長く争い続けてきたよう。この争いは吸血鬼族の方が優勢のようで、数少なくなってきたライカンを処刑していくのが、セリーンの仕事。
●この時点で、血みどろ・暴力が苦手な方は、鑑賞を控えたほうがよさそうです。
●逆に、血みどろが好きな人は、物足りないレベルかもしれません。
セリーンは銃撃戦の中、2人の不審なライカンを追って地下へ追跡。奥から、とんでもない人数のライカンの唸り声を聴きます。あれ?ライカンて、絶滅寸前のはず・・・?話が違うんじゃない?セリーン的にはモヤモヤします。が、誰も相手にしてくれず。アジトに戻っても、リーダー代行のクレイヴン(シェーン・ブローリー演)は「復活祭」とかゆう儀式(吸血鬼族の掟で、3人の長老の2人が眠り、1人が交代で一族を管理している。そして眠りについている長老を目覚めさせ交代する儀式)の準備で忙しいし、とにかく、パーティの準備をしろと、セリーンに繰り返し言いつける。なんか、この男怪しいな。
思惑・嘘・謀り。吸血鬼族VS狼族の全面戦争の真実!?
ライカンに追われている人間の青年・マイケル(スコット・スピードマン演)がセクシーで、一瞬ストーリーを脳内で飛ばしそうになりましたが、何か?(笑)
セリーンは歴史上、戦いで死んだはずの狼男のリーダーであるルシアンが生きていることを確認。確かに殺したと証言した吸血鬼族の現リーダーであるクレイヴンが嘘をついていることを知り、吸血鬼族存続の危機だと確信。現リーダーの命令を無視し、本来、順番的にも目覚めさせる予定ではない、ビクター(ビル・ナイ演)という長老を勝手に復活させる。
人間関係のポイントは3つ。(いや、人間ではない人達だからどういえばいいのかな(笑))1つめは、吸血鬼族リーダー=クレイヴンと、狼男族リーダー=ルシアンとの密約。両者の思惑と謀り。2つめは、クレイヴンの吸血鬼族の中で抱く野望のための嘘。3つめは、実はセリーンの育ての親である、長老ビクターの知る歴史の真実。 それは、主人公にとっては、酷なものだったのですが。
元は人間だったセリーンの狼族への復讐という目的が崩れる。
セリーンは戦いながら真相に近づいていく。そうそう、人間マイケルが狼族ルシアンに追われていたのは、彼の持つ遺伝子が、吸血鬼+狼男の混血種になる素因を持っているようで、マイケルを最強の混血種にして、吸血鬼族長老ビクターを倒したかったようです。
どんどん、3種のまさに三つ巴状態が複雑になってきて、誰を信じたらいいのか分からない・・・。
そんな最中に、セリーンはクレイヴンから衝撃の真実を聞く。元は人間だったセリーンの家族は狼男族に殺され、それを助け、セリーン自身に永遠の命を与えた吸血鬼族長老ビクター。それ以来、狼男族への復讐に生きていたというのに、実は家族を殺したのはビクターだったという。
私はこのシーンで、数百年のセリーンの処刑人としての人生(吸血鬼生?)は何だったんだ???と思ったわけです。
吸血鬼と狼男の混血種って、まずいらしい。何でだろ。
セリーンが長老ビクターの隙をついての殺しの攻撃シーンの、あのワイヤー感(あ、言っちゃった!)が、この映画の中で一番リアリティを欠いてしまった気がしてるんですが。とにかく、セリーンは自分の種族の長の1人を殺してしまったので、吸血鬼族から追われる立場に。結局、人間マイケルは望まないのに混血種になってしまった。2人で追ってから逃げる羽目に。
そういえば、まだ眠っている吸血鬼の長老が1人いるんだけど、そこへ、殺された狼男の血が、流れ込んでいくシーンが最後に流れたけど、これは?きっと次作に続くんだね★
まだ観てない方へ、伝えたいこと
スタイリッシュでセクシーでクール。話も練られてる。
イマドキの吸血鬼バナシ。
HK 変態仮面
善人か変態かと問われれば、どちらかというと変態。
昔はこんな映画がたくさんあったなと思い出しました。質素な映画館で入場前にガラスケースの中のコアラのマーチとか買って入って、今では考えられないですが大人が会場内で普通にタバコ吸ってた。そして幼い私は一人、そうとは知らずに見てはいけない映画を誰にも止められることなく観ている。規制が緩かった(笑)。ちなみにこれは一応PG12だったと思います。漫画原作ですがこれを実写映画化するところに日本人を感じます。世界的に見て日本人は類稀なる妄想の変態が普通に受け入れられる素敵な文化力を持っています。
ストーリー
例え誰も呼ばずとも、俺は現れる。ドMの刑事とドSの女王様の間に生まれた、紅游高校拳法部員の色丞狂介(しきじょうきょうすけ)は、同じクラスの転校生・姫野愛子に一目惚れをする。ある日、姫野愛子が銀行強盗に巻き込まれ人質に!狂介は、覆面を被り変装して強盗を倒そうとするが間違えて女性用のパンティを被ってしまう。その瞬間、経験したことのないエクスタシーを感じた狂介。これまで眠っていた父と母から受け継いだDNAによる変態の血が覚醒。人間の潜在能力が100%引き出された超人“変態仮面”に変身する。登場すれば悪人に笑われ、助けた人には逃げられる。それでもパンティを被ることを止められない!絶対に賞讃されないヒーロー。それが変態仮面!!そう彼には、蜘蛛の力も、コウモリの力強力な武器も必要ない。ただ愛する人のパンティがあればいい。賞讃されずとも正義を貫く、それがヒーロー。
■原題(漫画):究極!!変態仮面 ■上映時間:105分
■配給会社:東映 ■製作年:2013
【キャスト】 鈴木亮平、清水富美加、片瀬那奈、ムロツヨシ、安田顕
【スタッフ】監督・脚本:福田雄一
(HK 変態仮面公式サイト HPより引用)
『これは、これで良い。』変態って何だろう?
観た人は分かるんですが、上記括弧内のセリフは主人公狂介のドMの刑事である父の、妻との出会いのシーンで発せられた、ある意味ターニングポイント(?)かと思われるセリフ。銃弾に倒れ殉職したときの最後の言葉も『これは、これで良い。』悟りすら感じます(笑)
主人公の狂介は好きな女の子を助けようとして、間違えてパンティ被ってヒーローになっちゃうんですが、ストーリーの流れ的には、途中さらなる変態・ニセ変態仮面が現れ(上には上がいるものです)その強敵を前に、途中挫折を経験しますが、力を取り戻し、敵を打ち破るという、ヒーローものの王道といえば王道なのか。変態だけど。
そして、こんなストーリーに必ず現れるヒロインの天然美少女(姫野愛子)。現実にこんな女は居ません。助けてもらって好意をいだいたようで、つぶやいた言葉は『いけない、いけないわ・・・変態なのに・・・』。はい。色々キケンです。むしろファンタジー。
私がもし変態仮面に銀行強盗から助けてもらえても、イマイチ助かった気がしない気がします。
ちなみに私は耳の形を見るのがたまらなく好きで、人の耳を見る癖があるのですが、これは変態に分類されますかね?持論ですが、人の顔は耳までが顔の範囲だと思っています。変態とは、究極美意識とエロの融合なだけなのでは?
なにかと余計な心配をしながら観てしまう映画
次々と現れる敵に立ち向かう変態仮面。風貌は一応、マスク感あるパンティ顔なのでスパイ〇ーマンの延長のようにアクションシーンを観れるのですが、よく動きます。独特なアグレッシブな攻撃を繰り出し、なんだか言いにくいですけど色々動きます。変態仮面本人が称する『おいなりさん』とか“ぽろっ”としてしまわないか余計な心配をしないといけなくなってきます。
さらに、主人公狂介役の鈴木亮平氏は、実はさわやかイケメンで身体も鍛えられてるので、(てかこのオファー彼にした人、鬼ですね)不快感ゼロに近いんですが。安田顕氏扮する“ニセ変態仮面”がリアルに変態に見えてしまう!周りの人このオファーを誰も止めなかったんですか!でも最高な“ニセ変態仮面”(てか真の変態)でした!でも色々心配になります。
くらった側は精神的に壊れそうな変態仮面の攻撃技
これに関しては、観ていて率直に思いました。物理的な攻撃ではなく精神的にやられる攻撃技です。とにかく観れば分かる。書けません、一応女子だし★(笑)
変態であればあるほど強いわけではないらしい
もう、変態仮面が何なのか分からなくなった瞬間。強敵を前にスランプに陥った狂介が苦悩の末、悟った真実がコレ。
まだ観てない方へ、伝えたいこと
今、悩みゴト抱えてる人が観ると、何に悩んでたのか分かり辛くなっていいかもよ。
ハイヒールの男
そして“彼”は“女”になったのか?
コメディとシリアスが絶妙に入り混じったストーリーだろうな、と思ってDVDレンタルして観てたんですけど、まじめな内容です。ちなみに暴力的なアクション要素(たまに血みどろ)あるので苦手な女性の方は、遠慮したほうがいいかも。
ストーリー
犯罪組織からも恐れられる脅威の戦闘能力と暴力性、そして完璧な肉体と容姿を兼ね備えた刑事ユン・ジウク。しかしそんな彼にも人に言えない秘密が一つだけあった。それは<女性になりたい>という願望を持っていること。長年そのことで葛藤を続けてきたジウクだったが、ある出来事をきっかけにして遂に、自分の心の声に従う決意をする。だがその時、容赦無い暴力と悪意が、その運命をあざ笑うかのようにジウクの身に迫っていた・・・。
■原題:하이힐 ■上映時間:125分
■配給会社:クロックワークス ■製作年:2014
【キャスト】チャ・スンウォン、オ・ジョンセ、イ・ソム、コ・ギョンピョ 【スタッフ】監督:チャン・ジン
(THE KLOCKWORX HPより引用)
主人公を取り囲む人間には“男の中の男”にしか見えていない
主人公ジウク演じる俳優チャ・スンウォン氏の男気あふれるヴィジュアルは韓流をよく観る方はよくご存じのはず。そのイメージのままの屈強な刑事役として、冒頭から華やかなアクションシーンから入ります。自分が男なら惚れちゃいます。そう、男が惚れる男!
しかし、なんと心は“女”というまさかの性同一性障害という複雑な心を抱えた人間だった。それを打ち消そうとしたのか、彼は“男”を極めてみたけど、もう嘘は付けないと思ったのか、性転換手術をすることを決意し、突然警察を退職。
中盤、敵対者であるホゴン(ヤクザなんでしょうか?)ですら、過去にジウクと部下との戦いを目撃しており、ある目的の為にジウク宅に不法侵入した際には、その最強華麗な戦闘を一人誰もいない部屋で再現している姿は滑稽。敵対者ですらその戦闘能力に惚れてしまっている!どうでもいい話ですが、そのシーンあたりから、その敵対者ホゴ役を演じる俳優オ・ジョンセ氏が、大泉洋氏に見えてくるのは私だけですか?
少しずつ女性になる準備をしていたジウクは、女性ホルモン注射をしていた。腕に注射跡を見た、彼を慕う後輩は車の中で、見てはいけないものを見てしまった感いっぱいの表情で『先輩、誰にも言いません』の一言。尋常じゃない強さを見れば、後輩はそりゃ薬物だと思いますよね。
“男”が“女”になって生きることとは?
印象的なシーンとして2つ。1つめは、お兄さんからお姉さんになった先輩の手引きで、ジウクは女性になる準備をしている訳ですが彼女のお店で『お金の無いオカマなんて誰も見向きもしないわよ』といシーン。2つめは、教会という場所が自分達のような人間に似つかわしくないと思うのか、お姉さんちょっと不機嫌になるシーン。
セリフは少なめのシーンですが、俳優チャ・スンウォン氏の演技力が素晴らしいと思いました。男が女になって生きるということは、いばらの道のはずなんですが、かすかに幸福感を感じているともいえる何とも言えない表情は惹きつけられます。
非情な現実を突きつけられ決意は再び混乱と狂気へ
退職を知った人々が復讐・暴力団への誘い・自分を慕っていた後輩の殺害・そしてついには、『守ってあげるから』と幼少期に恋をしたが自殺してしまった少年の妹にまで、魔の手が伸びる。その凶行のタイミングは、まさに性転換手術のためアメリカに飛び立とうとしていた寸前。
そして“彼”は“女”になったのか?分からない!!
個人的にオチがアンニュイな感じで終わってるのが上手くできてると思います。ジウクの中では様々な、“女”に生まれ変わろうとする心理的な段階があったと思うのですが、結果、分かりません。以下、私個人が考える結末。
- 守りたいものを守るため“男”を貫く決心をすることになった。
- ずっと見守っていた初恋の少年の妹の結婚を見届けて、別の男に妹を任せた時点で“女”になった。
- 殺人犯になってしまったので逃亡生活の始まり。“男”か“女”かどころではなくなってしまった。(多分これが一番悲しい)
まだ観てない方へ、伝えたいこと
こんな一癖あるシリアスが観たい方は必見!てコト。